furufur’s blog

日々の書き溜め。所属している団体、組織には一切関係ないよ。

僕らは続きがあるから。またね。

「よく帰って来るね」


東京から一度帰って来た僕を出迎えてくれたのは、久しぶりにあった友人の言葉だった。
少しだけの時間だが近況を話し合い。相変わらず益体もない話題を行ったり来たり。
何の生産性もなかったかもしれないけれど、楽しくて幸せな時間を過ごすことができた。
大阪の夜に見えた通天閣になぜか感動してしまったときは少ししんみりしてしまったが。

 

 


東京で働いてからもうすぐ2ヶ月が経とうとしている。
こちらへ出て来る前は「都会やワクワクする」という感情と「知らない人、土地でやっていけるか」という漠然とした不安を抱えていたがその思いも懐かしさを覚えるぐらいだった。
実際仕事に取り掛かればそんなことを考える余裕はないし、人間関係にも恵まれているのでだんだんと不安も期待も薄れてきている。
ただ、故郷への感情というものはやはり存在するようで22年間過ごして来た思い出を振り返ると切なくなるのは確かだ。
それもあって今は1ヶ月に1度ほどのペースで実家へ帰っている。
ただ両親と会う時間というよりは、友人やお世話になっている人との時間がほとんどになってしまうが。
よく会う友人には東京に行ったのに、会う頻度変わらへんやんと言われて口では否定しながらも心の中では確かに実際そうだなと頷いている。間違いない。
送別会もしてもらったのに、もうすぐ間を空けて帰ってこいという話だ。

ただ、東京での知らない土地に対する不安感とか、知り合いの少ない寂しさだけで帰っているのだけではないと強調したい(もちろんそれらも大きな要素なのかもしれないけれど)。
会える人には、時間を割いてでも多く合っておきたいし大切にしておきたい。

そんな中学校以来の感情を、僕は今持て余している。

 

 

 


あのころの僕は特に青春をしているわけでもない、ほどほどに好きな子がいて友達がいて放課後になればみんなでゲームを持ち寄って遊ぶなどしていたただの中学生だった。
少しばかり校則が厳しいだけの普通の中学校で、小さい不満はあれど成績も普通の生活を送っていた。だけれど少しばかり弊害が存在していた。どうしようもないと、死にたくなるほどには人生に辟易していた。黒歴史というなら、文字どおり中学生時代が当てはまる。
そこらへんは割愛するとして、そこから脱出したのが中学3年時代。
今の僕を作ってくれたのは恩師と呼べる人の言葉と、クラスメイトだった。
中学校の卒業式、学年1仲が良いと言われていた僕たちのクラスではみんな号泣していた。
ヤンキーと呼ばれていた顔がこわい男の子も、かわいらしかった女の子も。
このクラスから離れたくないという思いを、みんなどこかできっと持っていたのだと思う。
そんな僕たちに声をかけてくれた、担任の先生の言葉を。
今でもはっきりと覚えている。
「お前らがそんなに仲良くなったのは、お前らのがんばりがあったからや。
横のやつの顔見てみ。もう友達やろ。前も、後ろも、斜めのやつも。中には苦手なやつもおるかもわからんけど、それでもお前らほんま仲良いよな。なんでかわかるか?
最初に言うたけど、がんばりやで。人と人との付き合いは努力や。嫌なこと言うてしまうこともあるし、自分とは合わへんって感じるやつもおる。だけどそこで諦めたら人付き合いなんて終わりや。お互いが相手のことを認めて、近づく努力をしてないと仲良くなんて絶対なられへんねん。一人だけ近づいても、片方が離れたら距離なんて変わらんやろ。お前らが努力してお互い離れんかったから、今の仲があることを絶対に忘れたらあかん。そうやってほんまに仲のいいクラスをつくったお前らを誇りに思うよ。これからもお前ららしく胸をはって歩いていけ!卒業おめでとう」

僕の人付き合いに対しての考えたが変わった、人生が変わった瞬間だったと思う。
自分の周りにいる人は、僕のことを諦めないでいてくれた人たちなんだと。
僕の近くにいてもいいと思ってくれている人なんだと。
中には嫌な思いをさせてしまったこともあるし、させてしまっている人もきっといるんだろうけれどそれでも離れないでいてくれる。
そんな人たちともっと一緒にいたいと思うし、話したいと思う。
今会えるうちにあって、忘れられないようにしなくちゃって。
いつか言葉とか文字だけじゃなくて、感謝できるようにしなくちゃなと思う。

 

 


「よく帰って来るね」
という言葉に、少し申し訳なさと言うか自分の堪え性のなさを自覚させられるけれど。
また帰ってこられたとも思う。
東京で出会った人もいるし、その人たちも大切にしたいけれど、これまで自分と関わってくれて今もあってくれる人にいつ会えなくなるのかわからないという思いがどこかいつもある。
そこから逃げ出して、これまでの関係の中で過ごしたいと思う時も少なからずあるけれど。
胸を張って歩いていくためにはきっとそれじゃ納得しないし。
今まで以上に頑張ってみよう。
たまに会いに行っても相手してくれるみなさんに忘れらないように頑張って。

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