furufur’s blog

日々の書き溜め。所属している団体、組織には一切関係ないよ。

郷愁

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また帰ってきてしまった。
夏休みをいただいて、嬉々として実家へ帰ってきた僕が冷静になったときに頭をよぎったのはこの言葉だった。実家を離れて4ヶ月。ホームシックになったように1月に一度は田舎に帰る僕は間違いなくホームシックだと言われても反論できない。
自覚はないのだけれど、無意識に慣れ親しんだ故郷に帰りたいと感じているのは間違いない。
実家の居心地はすこぶる良いし、仲の良い友人もいる。東京での1つのきっかけもあり、今回の帰省は特に生まれ育った土地で暮らすことの安心感を感じさせられる時間だった。

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比べるべくもないが、僕の実家がある田舎と現在住んでいる神奈川の家とでは人口密度がまるで違う。見渡しても田んぼも畑ももちろん無く、むしろ30階建ての高層マンションがそびえ立っている。そんな風景ばかり見ていると息苦しさというか、気持ちが閉じていく感覚を覚えてくるもの。
休日を利用してそんな気持ちを払拭しようと東京の皇居外苑の緑があふれるところでリフレッシュを図っていた時に、僕はじわじわと違和感を覚えた。
周りには木々が生え揃い、芝生は柔らかく緑に囲まれているはずなのに。時折吹く風は都会のものとは思えぬほど爽やかで、涼しくて気持ちがいいのにどこか落ち着かない。
僕はこの街に馴れずにいたのだ。

 

 

夢中で走って友達から逃げていた鬼ごっこをした校庭も、
学校帰りに制服のまま馬鹿話を交わしたあのお店も、
母親に手を引かれて初めて行ったお祭りも、
雨の日にカエルを捕まえようとして入った田んぼも、
夏の暑い日も、冬の寒い日も律儀に通った通学路も、
初恋の女の子と遊んだ公園も、
どこか未知のところに続くと思っていた舗装もろくにされていない荒れた細い道は、ここにはなかった。

 

僕の生きてきた記憶と結びつく場所がないこの街は、当たり前だが全く知らない街だ。
似たような施設や、緑はあっても、住んでいる人も違えば、馴染みの場所もない。
どこに行っても一緒だと思っていたけれど、生きてきた場所と自分との結びつきがない場所とでは全く違う。
自分の故郷に愛着なんてもっているとは言えなかったし、こんな田舎早く出て都会で暮らしたいと思ったこともあるけれど。自分とつながっているまちを、できるだけ大切にしたいと思えた。

 

 

まちの活性化を目指す地元の人たちもこんな気持ちなのかもしれない。人生の一部である、自分たちの街がもっと明るくなって、いつまでも残って欲しいという純粋な愛着。

今実家に帰って安心できるのも、もうすぐ終わる。
また帰っておいでと言われても、帰れるかもわからない。
ただ、色んな思い出があるこのまちがあんまり変わってしまわずに、残して行って欲しいと思う
このまちの夕焼けとか、夏になると色が濃くなる緑がまた見たい。

 

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君の名は。が友人に引かれるぐらい好きなのですが、郷愁というタイトルを思いついたと同時に出てきたのがこちらの動画。
俳優さんのイケメンさもあるし、慣れ親しんだ土地を離れて頑張っている方にぜひ観ていただきたい。

 

 


なんでもないや/ CRAFT BOSS inspired by 君の名は。『TOKYO』篇 2分52秒 成田凌 サントリー
https://www.youtube.com/watch?v=92nsRwHvvU4